60 カップルの行方
仕事から帰って、夜中の2時くらい。
珍しくモモがリビングで待っていた。
モモは俺に、いつも通りの笑顔を向けていた。
「ちょっと言いたいことがあって。」
「え、なに?」
「ゆっくりはなそ。お風呂入ってきて?待ってるから。」
「一緒に入る?」
「ううん。一人で入ってきて…?」
そんな会話のあと、お風呂を上がると、モモがご飯を作ってくれていた。
久々のモモの手料理。
それを食べ終わって、さっきの話題に戻す。
「で、話って?」
「うん…。」
モモがなんか、話しにくそうな感じはあった。でも、少し淡々としていたというか、決意が決まったような表情でもあった。
「今日さ。私、何してたと思う?」
「え、仕事?」
「うん。そのあと…。」
「そのあと…。なんだろ。わかんない。」
「そっか…。」
珍しくモモがリビングで待っていた。
モモは俺に、いつも通りの笑顔を向けていた。
「ちょっと言いたいことがあって。」
「え、なに?」
「ゆっくりはなそ。お風呂入ってきて?待ってるから。」
「一緒に入る?」
「ううん。一人で入ってきて…?」
そんな会話のあと、お風呂を上がると、モモがご飯を作ってくれていた。
久々のモモの手料理。
それを食べ終わって、さっきの話題に戻す。
「で、話って?」
「うん…。」
モモがなんか、話しにくそうな感じはあった。でも、少し淡々としていたというか、決意が決まったような表情でもあった。
「今日さ。私、何してたと思う?」
「え、仕事?」
「うん。そのあと…。」
「そのあと…。なんだろ。わかんない。」
「そっか…。」
そう言うと、少しだけ間があって、
「…ホテル行ってました。」と言うモモ。
迷いのようなものは、あまり感じられなかった。
「…ユウさんと?」
「うん…。」
「そっか…。」
モモが自分の目をまっすぐに見ているのは感じていた。
でも自分は、直視できずに、顔を横背けて、目を合わせずに話を聞く。
「あのね…。」
「うん…。」
「先週もホテルに行きました…。」
「そうなんだ…。」
胸がズキズキと痛んだ。というか、目の前が真っ白になった感じ。
淡々と告白してくるモモ。初めて怖いと思った。
「毎週水曜…もう2か月はそうしてます…。」
「…毎週会ってたの?」
「うん…。」
「もう10回くらいって事?」
「うん…。」
「会って…何してたの?」
「言わないと…わからない?」
「そんなことないけど、ちゃんと聞いておかないと。」
「…そうだよね…。」
これを言わされるのは想定外だったのか、
少し間が出来たものの、腹をくくった感じのモモ。
「ユウさんと、浮気…エッチしてました…。」
「そっか。」
モモが静かに怒っているように感じた。
たぶん、まっすぐモモの事を見て話さなかったからなんだなと、今思えばわかる。
「怒らないの…?」
「なんで?」
「だって、奥さんだよ?」
「うん。でもまあ、ユウさんは特別だし。」
「そっか…そうだね…。」
するとモモが、姿勢を正すように座りなおす…のを横目で確認した。
「太郎くん…。」
「ん?」
「ずっと、好きでした…。」
「ん…。」
「これからも、大好きです…。」
そこで初めて、モモのほうを見た。
何を言われるかとビクビクしていたんだけど、
「あ、やっぱりモモは俺の事が一番好きなんじゃないか…。」
と、少し安心したからだと思う。
モモの顔を見ると、本当にきれいな表情で、笑っていた。
「私と、別れてください。」
モモがはっきりとした声で、淀みなく言った。
そして、またモモから目をそらしてしばらく俯く。
というか、それ以外何もできなかった。
そのまま30分くらい、無言の時間が続いた。
モモはずっと俺を見て反応を待っていてくれた。
ここでようやく、男のプライドのようなものがちょっとだけ芽生える。
モモも勇気を持って言ってくれたんだし、おれも頑張らないと…。
「別れて、どうするの?」
「ユウさんと、一緒になりたいと思っています。」
「そっか…。」
「はい…。」
「…ノンタンは?」
「今日、ユウさんが話したみたいです。」
「敬語やめてよ。」
「あ、うん。ごめん…。」
「ノンタン…なんだって?」
「まだ聞いてない。」
「そっか…。」
「…俺の事、嫌いになった?」
「そんなことない…大好き…今でも。」
「はは…ありがとう。」
全然うれしくなかった。どれだけ好きって言われても、ユウさん以下であることはもう確定しているから。
「ま、ユウさんのほうが好きってことだよね?俺と別れようって思うくらい。」
「そうだと…思います。」
「敬語はやめてってば…。」
「うん…ごめん。」
モモはずっと俺のほうを見つめていたんだと思う。
俺はモモのほうは見れなかったけど。
「まあ、俺も気づいていたけどね。なんとなく。」
「そっか…そうだよね。」
「びっくりしないね。」
「まったく知らないってことも…ないとは思ってたし…。」
なんでやめなかったの?って聞こうとしたけど、それは違うなと思った。
やめようと思ったから、こうして俺に話をしているんだし…。
「別れて…すぐ再婚する気?…家族の事もあるし。」
「そういうのもあるし、しばらくは再婚しないよ…。」
「…子供は?」
「結婚するとき、私が30になるまで作らないって、決めたじゃん。」
「それは俺と決めた話だし。」
「そうだね…。でも、ユウさんも私が30になるまでは色々楽しもうねって。」
「そりゃよかった。」
「こんな内容で…すぐ返事なんてできないよね…。」
とモモ。さすがにモモもこの重い空気に恐れをなしたか。
「いや、いいよ。」
「えっ。」
「モモがそう言うんだから、相当な覚悟だろうし。」
「太郎くん。」
「ユウさん…幸せにしてくれそう?」
ここでようやく、モモのほうを見る。
モモは、自分のほうをやっと見てくれた、と思ったのか、優しい感じで笑いかけてくれる。
「…大丈夫。私が幸せにするから。」
「なんか、大人になったな。モモ。」
「そうかな…?」
「ねえ、モモ。」
「ん?」
「まだ俺の事好きなんだよね?」
「うん。」
「まだ俺とエッチできる?」
「…。」
モモがその真意を量り兼ねているのか、返答に困っていた。
「今からとかそんなんじゃなくて…聞いてみただけ。」
モモはその質問が想定外だったのか、ちょっと上をみて、考える。
「できる出来ないで言うと、…できる。」
「そっか。よかった。」
「よかったの?」
「それだけで、救われた気がする。」
「そうなんだ…。」
「モモ。」
「なに?」
「もし、近い将来別々になるんならさ。」
「うん。」
「本当に別れる時に…最後に一回、エッチしない?」
「え…?」
「ユウさんと結婚しても、ずっと好きだよって、実感したい。」
「…太郎くん…。」
「お互い、つらいだけだよ?」
「まあね。でも、それが俺からの条件。」
「…。わかった。ユウさんに相談してみる。」
やっぱユウさんの指示は受けるよな…。と、ずきんと心に刺さった。
「ただ、一つだけいい?」
「うん。」
「俺のほうが、モモの事すきだよ。」
「うん。ありがとう。幸せでした。」
モモのその一言が、なんか現実の事じゃないような気がした。
なので、とっても悲しかったんだけど、涙もでなかった。
周りの夫婦は知らないけど、夫婦の別れ話にしては、あまりにもあっけないような気がした。
だからこそ、明日になったら、またモモがいつものように俺の奥さんとして傍にいてくれるんだろう
っていう気すらしていた。
翌日、4人で集まって話をすることにした。
ユウさんから、「抜け駆けみたいなことになって申し訳ない」と、正式に謝られた。
でも、モモもユウさんも咎める気にはなれなかった。
ノンタンはほんとクズだね!って言っていた。怒っているのか、悲しんでいるのか判断できなかった。
「カップルは放っておいて、私たちはちょっと出かけよ!」
ノンタンが、俺を引っ張って外に連れていく。
そして、近くの公園に連れていかれた。
「太郎くん。つらかったね。」
「え、なんで?」
「なんてことないって顔してるけど、ほんとはへこんでるんでしょ?」
「いやいやいや、俺にはノンタンがいるしね!」
「ははは。ほら、おいでおいで、慰めてあげる。」
ノンタンがぎゅっと俺を抱きしめる。
そしたら、ダムが決壊したみたいに、涙が流れてきた。
みっともなく、ノンタンの前で号泣する。
「やっぱりねぇ」ってノンタン。
「泣け泣け、太郎くんも私も、そんな大した器じゃないんだから!」
そういって、頭をなでなでしてくるノンタン。
小一時間くらい、ノンタンになでなでしてもらう。
その甲斐あってか、俺の号泣も落ち着いて傍から見たらカップルがいちゃついているような感じになっていた。
「そういや、ノンタン泣かないね。」
「え?泣かないよ?」
「強いね…。」
「いやいや、全然。」
本当にノンタンはケロッとしている。
「ユウさんのこと好きじゃないの…?」
「うーん。すきだけど…?」
そして、俺のほう顔を覗いて、にこっと笑うノンタン。
「ずっと前から言ってるじゃん。私と結婚してよって。」
俺も今度こそ、相手から目を離すまいとしていた。
そして、ノンタンが今度は俺の胸に抱き着く。
「不謹慎だけどさ…。ユウから切り出されたとき、やったと思ったのよ…。」
「え?」
「太郎くんと一緒になれる!って。」
「はははは…。」
「腹黒いでしょ?」
「いや、腹黒いというか、正直ノンタンらしい。」
「褒めてはなさそうだね。」
ノンタンからグリグリ攻撃される。
「ぶっちゃけあっちよりいい夫婦になれるとおもうんだ…。」
「ノンタン…。」
「いずれでいいからさ、結婚してよ。太郎くん。」
ノンタンが俺のほうを見あげる。
ちょっとは泣いてるのかなと思ったけど、笑っていた。
「好きなの…太郎くんと結婚できるかもって考えたら…おかしくなりそう…。」
ノンタンの目に涙があふれる。
こんなノンタン初めて見るぞ…とまじまじと見つめてしまう。
「なんか言ってよぉ…。」
ノンタンの涙がぼろぼろこぼれるまで、意地悪心が働いて、つい待ってしまった。
ノンタンらしいなぁと思いながら、本当に自然に「俺も、好きだよ。」って返事していた。
「でも、モモの事は…まだ好きかも。」
「うん。いいよ。そういうのも全部まとめて好きになってあげるから。」
「そんなの…いいの?」
「いいよ。」
「たくましいね。」
「ほらね、私のほうがいい女でしょ。」
ノンタンが俺にキスをしてくる。
「まだまだ好きにさせてやる」
ノンタンの女の魅力にクラっと来てしまう。
ずるい考えなのかもしれないけど、俺にはノンタンがいるんだな…って実感。
触ってもいいのよって感じで目の前に胸があったので、自然と手が伸びる。
「ほら、気づいたら私の胸触ってる。」
「おお…無意識で…。」
「私と一緒になったら、このおっぱいも触り放題だよ。」
その一言で、俺の人生に希望という名の光が差した気がした。
それを表情で察したのか、
「なんかおっぱいと結婚されても癪だからやっぱやめようかな!」
「ごめん…捨てないで!」
なんて会話で、いつもみたいに二人で爆笑していた。
「結婚はあせらずにさ。」
「うん。」
「本当の夫婦になれるように、私と付き合ってください。」
ノンタンから、正式に告白される。
「昨日、振られたばっかなんだけど…いいのかな。」
「いいのよ。OKしちゃえ。」
「軽いなぁ…。」
「いいの?逃しても。」
「いやだ!」
「じゃあ、決まりね。」
ちょっと心の整理はついていなかったものの、
時間がいろいろと解決してくれるのかな…とか。
本当に、今を逃したら、モモみたいに自分から離れていく気がしたので、
時には勢いも大事か!と思って、承諾することにした。
「帰えろっか。太郎くん。」
「そうだね。」
帰る途中、ノンタンがスマホを確認する。
「あ。やばいよ。太郎くん。」
「え、どうしたの?」
「ユウが、寄り道してきてくれだって。」
「どういうこと?」
「今帰ってこられると気まずい場面です」ってさ。
そんな会話をしている中、ノンタンの画面をちょっとのぞき見。
「希もちゃんと決めろよ。ごまかさずに、真面目にね。」ってメッセージが見えた。
スマホをのぞき見したのは気づかないふりで返事をする。
「ほんと、エッチ好きだねー。あの二人。」
「そういえばあの二人、どんなプレイしてるか知ってる?」
「まあ、多少は…。」
「あの二人ほんと変態なのよ。引くよね!ほら、おいで。」
そういうと、ノンタンがタクシーを拾って、二人の行きつけのホテルを指定した。
そこで、ノンタンが気づいた二人の痴情をぶっちゃけてくれたり、
俺がビデオをこっそり見たことなども告白して、大盛り上がりだった。
そして、もちろん久々のエッチもしつつ、朝まで過ごすことになった。
「…ホテル行ってました。」と言うモモ。
迷いのようなものは、あまり感じられなかった。
「…ユウさんと?」
「うん…。」
「そっか…。」
モモが自分の目をまっすぐに見ているのは感じていた。
でも自分は、直視できずに、顔を横背けて、目を合わせずに話を聞く。
「あのね…。」
「うん…。」
「先週もホテルに行きました…。」
「そうなんだ…。」
胸がズキズキと痛んだ。というか、目の前が真っ白になった感じ。
淡々と告白してくるモモ。初めて怖いと思った。
「毎週水曜…もう2か月はそうしてます…。」
「…毎週会ってたの?」
「うん…。」
「もう10回くらいって事?」
「うん…。」
「会って…何してたの?」
「言わないと…わからない?」
「そんなことないけど、ちゃんと聞いておかないと。」
「…そうだよね…。」
これを言わされるのは想定外だったのか、
少し間が出来たものの、腹をくくった感じのモモ。
「ユウさんと、浮気…エッチしてました…。」
「そっか。」
モモが静かに怒っているように感じた。
たぶん、まっすぐモモの事を見て話さなかったからなんだなと、今思えばわかる。
「怒らないの…?」
「なんで?」
「だって、奥さんだよ?」
「うん。でもまあ、ユウさんは特別だし。」
「そっか…そうだね…。」
するとモモが、姿勢を正すように座りなおす…のを横目で確認した。
「太郎くん…。」
「ん?」
「ずっと、好きでした…。」
「ん…。」
「これからも、大好きです…。」
そこで初めて、モモのほうを見た。
何を言われるかとビクビクしていたんだけど、
「あ、やっぱりモモは俺の事が一番好きなんじゃないか…。」
と、少し安心したからだと思う。
モモの顔を見ると、本当にきれいな表情で、笑っていた。
「私と、別れてください。」
モモがはっきりとした声で、淀みなく言った。
そして、またモモから目をそらしてしばらく俯く。
というか、それ以外何もできなかった。
そのまま30分くらい、無言の時間が続いた。
モモはずっと俺を見て反応を待っていてくれた。
ここでようやく、男のプライドのようなものがちょっとだけ芽生える。
モモも勇気を持って言ってくれたんだし、おれも頑張らないと…。
「別れて、どうするの?」
「ユウさんと、一緒になりたいと思っています。」
「そっか…。」
「はい…。」
「…ノンタンは?」
「今日、ユウさんが話したみたいです。」
「敬語やめてよ。」
「あ、うん。ごめん…。」
「ノンタン…なんだって?」
「まだ聞いてない。」
「そっか…。」
「…俺の事、嫌いになった?」
「そんなことない…大好き…今でも。」
「はは…ありがとう。」
全然うれしくなかった。どれだけ好きって言われても、ユウさん以下であることはもう確定しているから。
「ま、ユウさんのほうが好きってことだよね?俺と別れようって思うくらい。」
「そうだと…思います。」
「敬語はやめてってば…。」
「うん…ごめん。」
モモはずっと俺のほうを見つめていたんだと思う。
俺はモモのほうは見れなかったけど。
「まあ、俺も気づいていたけどね。なんとなく。」
「そっか…そうだよね。」
「びっくりしないね。」
「まったく知らないってことも…ないとは思ってたし…。」
なんでやめなかったの?って聞こうとしたけど、それは違うなと思った。
やめようと思ったから、こうして俺に話をしているんだし…。
「別れて…すぐ再婚する気?…家族の事もあるし。」
「そういうのもあるし、しばらくは再婚しないよ…。」
「…子供は?」
「結婚するとき、私が30になるまで作らないって、決めたじゃん。」
「それは俺と決めた話だし。」
「そうだね…。でも、ユウさんも私が30になるまでは色々楽しもうねって。」
「そりゃよかった。」
「こんな内容で…すぐ返事なんてできないよね…。」
とモモ。さすがにモモもこの重い空気に恐れをなしたか。
「いや、いいよ。」
「えっ。」
「モモがそう言うんだから、相当な覚悟だろうし。」
「太郎くん。」
「ユウさん…幸せにしてくれそう?」
ここでようやく、モモのほうを見る。
モモは、自分のほうをやっと見てくれた、と思ったのか、優しい感じで笑いかけてくれる。
「…大丈夫。私が幸せにするから。」
「なんか、大人になったな。モモ。」
「そうかな…?」
「ねえ、モモ。」
「ん?」
「まだ俺の事好きなんだよね?」
「うん。」
「まだ俺とエッチできる?」
「…。」
モモがその真意を量り兼ねているのか、返答に困っていた。
「今からとかそんなんじゃなくて…聞いてみただけ。」
モモはその質問が想定外だったのか、ちょっと上をみて、考える。
「できる出来ないで言うと、…できる。」
「そっか。よかった。」
「よかったの?」
「それだけで、救われた気がする。」
「そうなんだ…。」
「モモ。」
「なに?」
「もし、近い将来別々になるんならさ。」
「うん。」
「本当に別れる時に…最後に一回、エッチしない?」
「え…?」
「ユウさんと結婚しても、ずっと好きだよって、実感したい。」
「…太郎くん…。」
「お互い、つらいだけだよ?」
「まあね。でも、それが俺からの条件。」
「…。わかった。ユウさんに相談してみる。」
やっぱユウさんの指示は受けるよな…。と、ずきんと心に刺さった。
「ただ、一つだけいい?」
「うん。」
「俺のほうが、モモの事すきだよ。」
「うん。ありがとう。幸せでした。」
モモのその一言が、なんか現実の事じゃないような気がした。
なので、とっても悲しかったんだけど、涙もでなかった。
周りの夫婦は知らないけど、夫婦の別れ話にしては、あまりにもあっけないような気がした。
だからこそ、明日になったら、またモモがいつものように俺の奥さんとして傍にいてくれるんだろう
っていう気すらしていた。
翌日、4人で集まって話をすることにした。
ユウさんから、「抜け駆けみたいなことになって申し訳ない」と、正式に謝られた。
でも、モモもユウさんも咎める気にはなれなかった。
ノンタンはほんとクズだね!って言っていた。怒っているのか、悲しんでいるのか判断できなかった。
「カップルは放っておいて、私たちはちょっと出かけよ!」
ノンタンが、俺を引っ張って外に連れていく。
そして、近くの公園に連れていかれた。
「太郎くん。つらかったね。」
「え、なんで?」
「なんてことないって顔してるけど、ほんとはへこんでるんでしょ?」
「いやいやいや、俺にはノンタンがいるしね!」
「ははは。ほら、おいでおいで、慰めてあげる。」
ノンタンがぎゅっと俺を抱きしめる。
そしたら、ダムが決壊したみたいに、涙が流れてきた。
みっともなく、ノンタンの前で号泣する。
「やっぱりねぇ」ってノンタン。
「泣け泣け、太郎くんも私も、そんな大した器じゃないんだから!」
そういって、頭をなでなでしてくるノンタン。
小一時間くらい、ノンタンになでなでしてもらう。
その甲斐あってか、俺の号泣も落ち着いて傍から見たらカップルがいちゃついているような感じになっていた。
「そういや、ノンタン泣かないね。」
「え?泣かないよ?」
「強いね…。」
「いやいや、全然。」
本当にノンタンはケロッとしている。
「ユウさんのこと好きじゃないの…?」
「うーん。すきだけど…?」
そして、俺のほう顔を覗いて、にこっと笑うノンタン。
「ずっと前から言ってるじゃん。私と結婚してよって。」
俺も今度こそ、相手から目を離すまいとしていた。
そして、ノンタンが今度は俺の胸に抱き着く。
「不謹慎だけどさ…。ユウから切り出されたとき、やったと思ったのよ…。」
「え?」
「太郎くんと一緒になれる!って。」
「はははは…。」
「腹黒いでしょ?」
「いや、腹黒いというか、正直ノンタンらしい。」
「褒めてはなさそうだね。」
ノンタンからグリグリ攻撃される。
「ぶっちゃけあっちよりいい夫婦になれるとおもうんだ…。」
「ノンタン…。」
「いずれでいいからさ、結婚してよ。太郎くん。」
ノンタンが俺のほうを見あげる。
ちょっとは泣いてるのかなと思ったけど、笑っていた。
「好きなの…太郎くんと結婚できるかもって考えたら…おかしくなりそう…。」
ノンタンの目に涙があふれる。
こんなノンタン初めて見るぞ…とまじまじと見つめてしまう。
「なんか言ってよぉ…。」
ノンタンの涙がぼろぼろこぼれるまで、意地悪心が働いて、つい待ってしまった。
ノンタンらしいなぁと思いながら、本当に自然に「俺も、好きだよ。」って返事していた。
「でも、モモの事は…まだ好きかも。」
「うん。いいよ。そういうのも全部まとめて好きになってあげるから。」
「そんなの…いいの?」
「いいよ。」
「たくましいね。」
「ほらね、私のほうがいい女でしょ。」
ノンタンが俺にキスをしてくる。
「まだまだ好きにさせてやる」
ノンタンの女の魅力にクラっと来てしまう。
ずるい考えなのかもしれないけど、俺にはノンタンがいるんだな…って実感。
触ってもいいのよって感じで目の前に胸があったので、自然と手が伸びる。
「ほら、気づいたら私の胸触ってる。」
「おお…無意識で…。」
「私と一緒になったら、このおっぱいも触り放題だよ。」
その一言で、俺の人生に希望という名の光が差した気がした。
それを表情で察したのか、
「なんかおっぱいと結婚されても癪だからやっぱやめようかな!」
「ごめん…捨てないで!」
なんて会話で、いつもみたいに二人で爆笑していた。
「結婚はあせらずにさ。」
「うん。」
「本当の夫婦になれるように、私と付き合ってください。」
ノンタンから、正式に告白される。
「昨日、振られたばっかなんだけど…いいのかな。」
「いいのよ。OKしちゃえ。」
「軽いなぁ…。」
「いいの?逃しても。」
「いやだ!」
「じゃあ、決まりね。」
ちょっと心の整理はついていなかったものの、
時間がいろいろと解決してくれるのかな…とか。
本当に、今を逃したら、モモみたいに自分から離れていく気がしたので、
時には勢いも大事か!と思って、承諾することにした。
「帰えろっか。太郎くん。」
「そうだね。」
帰る途中、ノンタンがスマホを確認する。
「あ。やばいよ。太郎くん。」
「え、どうしたの?」
「ユウが、寄り道してきてくれだって。」
「どういうこと?」
「今帰ってこられると気まずい場面です」ってさ。
そんな会話をしている中、ノンタンの画面をちょっとのぞき見。
「希もちゃんと決めろよ。ごまかさずに、真面目にね。」ってメッセージが見えた。
スマホをのぞき見したのは気づかないふりで返事をする。
「ほんと、エッチ好きだねー。あの二人。」
「そういえばあの二人、どんなプレイしてるか知ってる?」
「まあ、多少は…。」
「あの二人ほんと変態なのよ。引くよね!ほら、おいで。」
そういうと、ノンタンがタクシーを拾って、二人の行きつけのホテルを指定した。
そこで、ノンタンが気づいた二人の痴情をぶっちゃけてくれたり、
俺がビデオをこっそり見たことなども告白して、大盛り上がりだった。
そして、もちろん久々のエッチもしつつ、朝まで過ごすことになった。
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ノンタンは本当に太郎くんが好きなんだね
ノンタンに癒されて愛されてどんどん二人で幸せになってください
No title
お疲れ様って感じだな……
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でも太郎さんに光が指さしてよかったですね(^_^)自分の事のようにとても嬉しいです。
今後、ノンタンと一緒に幸せになってください(^ω^)
最後がどうなるのか気になる!!!
もしかしてノンタン実家に帰省中かな。(ノンタンと現在付き合っていると思ってますけど)
おそらくこの休みですべて書き上げるのかな。
それともこの休みの間に書き上げないと行けない理由でもあるのか。
なんか結局ユウさんとノンタンの思った通りの展開になったのかな。
もしかするとこの二人お互い本当にいい人見つけるまでとりあえず結婚しておこうか。ってな感じだったのかも。
そこにモモが現れてユウさんが惚れてしまいノンタンも太郎くんに惚れてしまい。
正直ノンタンのほうが結婚相手にはいいのと違うかな?
あそこまで開発されてしまったモモを今更返されても。っと思うけど。
モモとノンタン比べたらノンタンのほうが圧倒的に色んな意味で上じゃないかな。
最後の最後にちゃんとみんなからの質問に答えてほしいな。
太郎、ノンタン夫婦のほうが絶対いいだろうと思う。
モモ、ユウさん側はちょっと将来不安要素があると思うのだが。
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No title
モモ、ユーさん カップルの言いなりじゃ、
2人の行く末が有利に成っていないよねー。
なら、ノンタン、ユーさんの持家を頂いて
ノンタンが管理している預貯金全額頂いても
良いんじゃないかと。
絶対、ユーさん 内緒の 隠れ資産あるはず。
モモにも、このままカード取り上げて、
部屋の持ち物そのままに、実家へ届けるべきじゃない。
太郎クンの資産も、カードも 別れる前提で処理しているだろうなぁ〜
悔しい〜です 今は、俺の妻だから、好き放題に中◯出◯でしょう。
太郎クンノンタンさんに、幸せに成って欲しいから
金銭、資産は頂くべきですよね❗️‼️
こんなんやから取られたんじゃないですか?
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No title
なんのかんの良いつつも元サヤだと思ってたんで・・・
しかし、SEXだけの関係だよね・・・
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ノンタンがいてくれてよかったですね
幸せになってください
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No title
それと同時に、そこまでいろんなことをしてきて別れて付き合うんだったら、本望なんじゃないかとも思えるし。読後感は、不思議な感じです。太郎さん、もうちょっとその後が知りたいし、できれば、振り返るのも嫌かもしれないけれども、ユウさんとももちゃんの変態プレイも知りたいなー。できたらで構いませんので、ご一考くださいませ。
No title
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No title
No title
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応援してましたが、悲しいですね…
のんたんさんと末長くお幸せに。もう交換したらダメですよ。笑
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ほのぼのスワッピング
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それとも等価交換だったのかなあ?
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エンディングを楽しみにしています。
頑張れ太郎さん
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他人事とは思えない
二人の逢瀬を覗き見るに、好き好き言い合ってるのを見て心が痛くなってきたところでした。シラフでは「盛り上げる為のプレーの一つ」と二人とも言ってますが、最近は妻が涙流しながら言ってたりするので、興奮よりも焦りが出てきています。太郎さんの結末を予想するに他人事とは思えず、ハッピーエンドとなって欲しい。じゃないと、私も同じ結末を辿りそうで・・・
ここまで堕ちてしまったモモをユウさんから取り戻す展開に期待してます。
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かわいい妻モモさんの行く末が気になりますがラストを楽しみにしています。
雲となり雨となる
といった感じでしょうか。
個人的にはまだまだ終わってほしくないですが...
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60げっつ
残念です。
泣くという事は、失いたくなかったということ・・・。
このような結末は望んでいなかったということでしょう。
このようにならないようにコントロールしなかった太郎さんの失策だと思います。
モモも今までの太郎さんとの色々な生活・思い出とかありながら、
「離婚してください」
大好きですと言いながら、その大好きな太郎さんを悲しい思いをさせても、
自分の欲望を通す・・・。
なんだかなあ、と思ってしまった。
太郎さんとの生活は、そんなに軽いものだったんだ・・・と。
ユウさんとの関係は、生活感を伴わない夢の時間だけでしょう。
浮気体質で無いというモモは自分的にNO1の人を最優先したいということなんだろうけど・・・。
親御さんにはどう説明するんだろうね。
太郎さんより好きな人が出来たので離婚しましたって、普通、親はバカモノって怒りますよね。今回は太郎さんもノンタンと、という事なんで、お互い様って考えるかもしれないけど・・・。太郎さんに対しても、モモのような若くて好印象だった子(太郎さんの親御さんも娘のように思っていたんじゃないかと)を手放して年取ったバツイチ(ノンタンごめんね)しかも孫をしっかり産んでくれるのか?など、離婚などするな、という意見でしょうね。
ユウさんと結婚したら、もっと色々な人とどんどんSEXするんだろうけど、
ビッチ化していく未来しか見えない。
本人が良ければ、いいのかもしれないけど・・・。
ユウさんもおぼこい女性(ノンタンは自分で判断できるがモモは流されるまま)をいいようにコントロールして好き勝手するとしか見えない。
一応、別れる、ということになったわけだけど、やっぱり別れません、という風になってほしいね。モモに色々気づいてほしいね。太郎さんも、あっさり認めないで、もう一度ユウさんと会わない環境を構築して太郎さんとの関係・生活を冷静に考させるということをすればよかったのにと思います。リアルタイムで報告してくれていたら、泣くくらいなら、その位、足掻きなさいと言いたかったです。
関係を破壊するスワッピングというのは、スワッピングのそのものへのマイナス評価を助長することになり、話題になっていたこの報告がそのような結末だったというのは本当に残念です。
まだ、実は大逆転あるのかな?
とても気になります。
No title
離婚、別居手続きやら 両両親への報告等
イロイロあってからのクリスマスイブ
仕事を辞めましたかぁ それともこれは報告無しではない事はしないでしょうし
つまらんフォンでしょうが とても気になります
家族が、家庭が変化する様子など
お邪魔じゃなけれは、 そんなぁお話で更新お願いできればと
宜しくお願いします
隣のノンタン 御外のゆうモモカップル 等 辛くなければお話聞きたいです
太郎くん 頑張ったからさぁ