71 まさかの報告

久々のビデオは自分にとってはなかなかの破壊力だった。
なにせ、ノンタンの妊娠もあって、なかなか夜の営みに精を出しにくかったので、
その時期はかなり活用させていただいた。

もしかしたら、ユウさんもそれを見越していたのでは?という気すらしてくる。

とはいえ、もともと1年間連絡はなしで。という話だったので、
そのあと、追加でビデオを貰うこともなく、本当に何も連絡もないまま残りの数か月が過ぎることになった。

あの後、モモはどうなったんだろうか。
後ろでの性感をがっつり開発されたのか、それともオラオラ系の男に貸し出しをされたのか…。

ノンタンとの生活は幸せではあるけど、それはそれで別の話で…。
心のどこかでは、やっぱりモモに対して色んな妄想を抱いて興奮してしまっていた。

モモの事は、もはや一生抜けないトゲのような感覚だなと思うようになっていた。
ノンタンと生活を始めたころは、モモの事を考えないようにしようと必死になっていた時期があったんだけど、
もう一生忘れることはできないだろうし、いつまでもこのセンチメンタルを抱いて生きていくしかないのかなと覚悟をしていた。

そして数か月後、年も明けてノンタンが無事出産をした。男の子だった。
ノンタンや自分は意外と冷静なのに、両家の両親がもう大騒ぎで、
ノンタンのほうの親父さんは「私の財産は全部この子にやる」と興奮しきりだったらしい。

自分の子供や家族の反応をみると、やっぱり子供を作ってよかったなぁとしみじみ感じていた。
ノンタンとの夜の生活はというと…周りから女性は出産したら性欲が下がる。だからセックスレスの始まりだ。
なんて言われていたんだけど、うちはそんな心配はまったくもって不要だった。

そもそもノンタンは、妊娠前ほどではないにしろ、妊娠中もセックスしたいしたいとよくせがんできていた。
むしろこっちのほうが大きなお腹見ながらするのは気が引けてしまって手を出せず…。
誘ってくれるノンタンにひたすら我慢をしてもらっていた。

出産後は、先生のセックスOKが出たその日にノンタンから犯されるように抱かれ、そのままセックスを再開することになった。
子供も早いうちに長時間寝てくれるようになったし、夜中は全然起きてこない子だったので、夫婦生活の復活も超絶スムーズだった。

というより…妊娠後なぜか一段と性欲が増していくノンタン…。
自分も残業も遅くて20時までなので、平日も頻繁にノンタンに求められる。
ちょっと体力的にきついときは我慢してもらうけど、
母の顔で息子を寝かせた後、女の顔で俺に抱かれるギャップに、自分も同じくらい興奮してしまっていた。


そして、「ユウさんモモカップルとの連絡禁止期間がそろそろ終わるね。」なんて二人で話をしていた頃…。
ちょうどタイミングよくユウさんとモモから連絡があった。

連絡禁止期間も明けたし、赤ちゃんを見に来たいというものだった。
もちろん断る理由もなく、おいしい料理を用意して待ってます!とだけ伝えて、当日まで楽しみに待っていた。


当日、予定通りユウさんとモモが自分の家に子供の顔を見に来た。
子供を見るや、可愛い可愛いと大はしゃぎのモモ。
抱っこしてみるも、ぎこちなさが可愛さ倍増だった。

そんなモモを見て、モモもいつかはユウさんの子供を授かって、こんな感じになるのか…。
と想像してしまって、久々に切なさが襲ってくる…。

そんな自分の感情はさておき、みんなでご飯を食べながら久しぶりのトーク。

ちなみにモモはというと、明るい栗色だったのが、暗めの茶髪に戻っていた。
髪はボブのままなんだけど、前会った時よりちょっと長めだった。
すっかり大人なオシャレが板についていて、今もたまに美容室のモデルや読者モデルとかもやってるそうな。

そんなモモを見て、オヤジ臭い笑みを浮かべるノンタン。
「いやー。相変わらず可愛いね。モモちゃん。」
「なんですか…いきなり。」
モモを撫でたり頬ずりしたり、おじさんと姪っ子みたいな絡みをするノンタン。
昔よく見た懐かしい光景にちょっとほっこりしてしまう。

すると、いいネタがあるとばかりに、ユウさんが乗り出してくる。
「職場でもモテモテだもんね。モモは。」

貰ったビデオで出てきていたオラオラ系の男の事がよぎる。
もうのっけから、例の男の話が聞けるチャンスが到来して、不意を突かれてしまった。
とはいえ、逆にいま聞いておかないとこのあと聞く機会を逃しそうなので慌ててその話題を拾う。

「え、モモ、職場で狙われてるの?」
「いやー…なんだろ。からかい半分で近寄ってくる人がいるってだけ…。」
「なにされるの…?」
「なんか、飲み会でチューしてきたり。」
「えっ…。まじで。」
「いや、ほんと不可抗力だからね…。しかも一回だけで、そのあとは完全に距離置いてるし…。」
慌てて言い訳をするモモ。

そんなモモに、「一回くらい抱かれてみればよかったのに。」とユウさん。

「ははは…。相変わらずユウさんはそういうノリなんですね…。」
と、自分から苦笑いでリアクションをすると、ユウさんがちょっと余裕そうな感じで乗っかってくる。

「なんか同僚の子も何人か手を出してて、ずるずる体の関係だけある子もいるらしいよ。」
「へえ…。」
「性格はアレらしいけど、エッチは結構いいのかもねー。」
「なるほど…。強引に押しかけてエッチとかしてるんですかね。」
「たぶんね。」
そんな感じで、途中から男子だけで下衆な話で盛り上がってしまう。
そんな二人を、モモとノンタンが呆れた感じで眺めていた。

色んな話をするものの、ユウさんとモモの同棲生活についての話題が一切出ていなかった。
これまで通りなら、ユウさんが意気揚々と話しだすところなのに…。

何かあったのかと不安になっていたところ、ユウさんがちょっと大事な話があると言い出した。

「実は、言っておきたいことがあって…。」
珍しく真面目な表情になるユウさん。

「俺、海外の会社に転職します。」
「え…。」

唐突な発表に自分もノンタンも言葉を失ってしまった。

「あこがれてた会社から奇跡的にオファーを受けて…。もうこれを逃したら後悔するなと思って。」
「てことはユウさん…向こうに引っ越すってことですか?」
「うん。日本には顔出しに戻ることはあっても、暮らしはずっとあっちになる。」

その話を聞いて、ふと浮かんだのが、モモの両親の事だった。
モモが一人っ子だから、親の老後のこととかモモが気にしていたのを覚えている。

「モモは、どうするの?」
「ほんとはユウとずっと居たいんだけど…。両親のこととか考えると…。」

「え…それって。」

そこは俺から。と言わんばかりにユウさんが口を開く。
「時間をかけて話しあっていたんだけど…。別れることにした。」

「「え…。」」
その一言以外、言葉を失ってしまう自分とノンタン。

「両親はね…、気にせず好きにしろって言ってくれてたんだけど…。そんなことできなくて…。」
切なそうな表情をこらえるモモ。
モモだって辛い決断だったんだろう。悔しさというか、寂しさが隠せていなかった。

「そっか…。」
ノンタンが何か言い換えそうにも、何も返事できないでいた。

そんなノンタンに、モモがにこっと笑って返す。
「あ…でも、いざ決めたら、色々踏ん切りはついたから。もう大丈夫。だから今日来たんだし…。」

「二人もごめん。こんな結果になって。」
ユウさんはモモの手前、未練のある対応はしないと決めているんだろう。わりと飄々としていた。
モモならついてきてくれるとか思っていただろうか…?
ユウさんがどう感じているか、表情からはくみ取ることはできなかった。

とはいえ…、二人がそう決めたのであれば、それに対して口出しをする権利なんて我々にはないわけで…。

すると、ノンタンが「ふー…。」と大きく息を吐いた。

「まだ籍入れてないんでしょ?バツが2個付かなかっただけよかったかもね!」
ノンタンが笑いながら返す。
ノンタンは、あっけらかんと受け入れようと決めたようだった。

「そうですね…!」
「てことは、モモちゃん今実家?」
「はい…。でも、来月には一人暮らし始めます…!」
「そっか。寂しいだろうから、週末は遊びにおいで!」
「いいんですか?夫婦のお邪魔じゃないかなって。」
「いいよいいよ。ユウがいなくなって逆に女子会しやすくなるよ!」

「ははは。ありがとう、希。」と笑うユウさん。

「この決断を無駄にしないためにも、お互いにいい相手を見つけて、幸せになろうって約束したからね。」
ユウさんの言葉に、モモも深く頷いていた。

全体的に少し切ない雰囲気ではあったものの、その後またいくつか話をして終わった。

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新しい展開ですが楽しみに感じてしまいます。

こりゃまた、びっくり。
でもそうなると、モモの環境を考えても積極的にモモにアタックする男はいるだろうし、開発されてしまった体になったモモも一人寝に耐えきれるとも思えないし、結構すぐに新しい男は確実に出来ると思う。

それがユウさんのように太郎さんが仕方ないと思える相手でなければ、口惜しさが倍増ですね。
あんな男に!という相手であればあるほど寝取られ性癖が刺激されるのかもしれませんね。

続きがかなり気になる。あの、おっさんとかどうなったん!?
ももの夜の事情や貸し出しは?
2ヶ月まつの辛いです。少しだけ早くお願いいたします。

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久々の更新ですね!
太郎さん、これからも無理なさらずに

ゆうがドロップアウトしたのにも驚いたがまさかの連投にも驚いたわ笑

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プロフィール

so6ta6

Author:so6ta6
■早漏太郎(書いてる人)
某所で早漏太郎と名付けてもらった。気に入っている。
普通のサラリーマン。
(本名)君とよばれているが、太郎君と書き換えている。

■モモ
早漏太郎の奥さん。5歳下。
超絶人見知り。そのくせさびしがり屋。
パッと見ると頼りないけど、割としっかり者で、たまに頑固。
昔はケーキ屋でバイトしてたけど、今は可愛い系のアパレルの販売員。
背が低い。貧乳だけど、本人いわくちゃんと膨らんではいるらしい。
でも顔が小さくて、とにかく顔が可愛いのが自慢。

■ユウさん
輸入系の会社の人。多分3、4歳上。
お酒が全般が好きで、特にワインが好き。
たまに海外に出張に行っている。
いつも大人雰囲気を醸し出してて優しい。
でも遊び心もあって、すごくモテてきたタイプ(多分)。

■ノンタン
ユウさんの奥さん。
サバサバしてて裏表がない。
一見ドライな感じだけど、付き合いが長いとみせる、内面はばりばりの女の子って一面が可愛い。
あとおっぱい大きくてエッチもノリノリ。
昔は事務職やってたけど今はやめてカフェでバイト。
ノンタンという呼び名は早漏太郎の元カノが命名。本人は嫌がっていた。今はもう慣れてる。

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